魔王さま100分の2
そっちだ。
あっちだ。
広い鉄板の前を左右に動いて焼き焼きする魔王さま二人の図。
特に小さい方は、食べるためせっせと働く。
「シルキス、皿を貸せ」
「はい」
魔王さまの手に合わせて小さな皿を渡すシルキス。
金の魔王さまは、そこに乗せられるだけ乗せて、シルキスに返す。
「次」
「はい、どうぞ。で、これは誰の分ですか?」
「誰でもいい」
「そうですか」
シルキスは、次の皿を魔王さまに渡し、交換で受け取った山盛りの皿をアイオネに渡した。
「はい、僕の魔王さまからです」
「……ありがとう」
遠慮しても仕方ないので、アイオネは受け取った。
と、黒の魔王さまも器を要求。
「こっちにもお皿ちょうーだい」
「はい、これに入れてください」
シルキスは、手際よく黒の魔王さまにあわせた大きさの皿を渡した。