魔王さま100分の2

「よーし」

はりきって、焼きたてを盛る黒の魔王さま。

シルキスは、勢いで生焼けが混じらないことを祈る。

「なんだ、そっちの皿の方が大きいではないかっ」

目ざとく、金の魔王さまが皿の違いに気がついた。

「小さいほうが、たくさんおかわりできますよ」

「なるほど」

納得する魔王さま。

その間、黒の魔王さまが盛りに盛った皿をシルキスに差し出した。

「はい、シルキスには私から」

と、金の魔王さまも手にしていた中盛り皿を出す。

「私からもだ」

「ありがとうございます」

シルキスは、食べ始める前から両手がふさがってしまった。

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