魔王さま100分の2
でも、大丈夫。
少し下がれば、
野外用のシートが敷いてあり、
今夜は、その上に座ってわいわいできるようになっていた。
夏の浜でこれを使って楽しむ人達を見ていた魔王さまが、ねだって用意させたらしい。
「魔王さま、自分のもとってくださいね」
「当然だ」
金の魔王さまは、シルキスの横をぬけて、シートの上に置いてあった皿の山から自分用のをとる。
選んだのは、ちゃっかり大皿。
次いで黒の魔王さまが、こっちは可愛らしい小皿を選び、ふたり、鉄板に戻ってハサミを動かす。
肉をメインに積み込みながら、金の魔王さま。
「おまえ達は先に食べていていいぞ」
「はい」
返事をしつつ、その場で立ったまま魔王さまを見守るシルキス。
金の魔王さまは背が小さいので、奥のほうをとる時、前のめりになってかなりドキドキするのだ。