魔王さま100分の2

「希望するなら膝の上に乗ってやるぞ」
「食べながらはやめてください」

シルキスは、はっきり言う。
はっきり言わないと、本当に乗ってくる。

「あははは」

大きく口をあけて笑った黒の魔王さまは、口を小さく戻して、焼き野菜をついばむ。

ほむほむほむ。
そんな食べ方。

時間をかけて一切れ喉に通し、アイオネに笑顔で感想を述べる。

「美味しいー」
「はい、美味しいですね。魔王さま」

答えるアイオネも上品な口使い。

黒の魔王さまよりも少しだけ大きな口で、はむはむ。

シルキスは自分の魔王さまにあわせて食べるペースが身についているので、食事の様子は二組で大違いだ。

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