魔王さま100分の2
「はい、そうしてください」
受け取ったシルキスは、魔王さまが使いやすいように、腰だめで器を支える。
そこに、ほいほいと焼けた野菜を詰める魔王さま。
次に魚。
次に肉。
ちゃんとお弁当風に仕切りをつけて、盛り分けていく。
一緒の家で暮らしていた間の、お手伝いの成果だ。
「ひとまず、これで全部だな」
「そうですね」
鉄板の上に残っているのは、シルキスが乗せたばかりものだけ。
「シルキス、顔がにやけてるぞ」
「魔王さまに僕の分まで盛っていただいたのは久しぶりだったので」
「嬉しいのか?」
「それはもう」
「ふうん」
聞いて、魔王さまもにやにや。