魔王さま100分の2

「この程度で喜べるとは、安いやつめ」

「いえいえ、今後のレベルアップの期待を含めての喜びです」

「ほほう、この先、私に何をさせようというのだ?」

「それはまあ、魔王さまのお気持しだいでいろいろと」

「ほほう、私の気持か」

魔王さまは、料理はさみをかちゃかちゃ鳴らす。

「ねえ、いちゃつくなら座ってからにしよう。スープが冷めちゃうよ」

と、スープが入ったカップを両手に持って、金の魔王さまの後ろに立つ黒の魔王さま。

「何をする気かは知りませんが、ここの塔にいる間は自重してくださいね」

そして、アイオネ。

シルキスと金の魔王さまを、4人がそろう宴の席に引き戻す。

「すまんな。ちょっと寄り添ってやると、どこまでも自分好みに染めようとするのが人間の男という生き物でな」

「僕も夢をみたいときがあるのです」

後ろをついていきながら、まだいちゃつくシルキスと金の魔王さま。



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