魔王さま100分の2
4人がシートに座ると、真ん中にどかんとシルキスが持ってきた大器が、
4人の前には、アイオネ達が持ってきたスープ入りのカップが置かれて、食事再開。
アイオネが話す。
「仲良くするのはいいけど、こっちの魔王さまの前ではほどほどにして。悪いことを覚えると後が面倒だから」
黒の魔王さまが、アイオネに訊く。
「悪いことってなに?」
「私の苦労が増えることです」
「んー、分からないなあ」
「どうか、分からないままでいてください」
アイオネは、魔王さまの小皿に魔王さまが食べやすい分量でよそって渡す。
「ふふふっ、私とシルキスの仲に隠すことなど何もないぞ。好きなだけ覗くがいい。静かにしていれば気づかないふりをしてやるぞ」
金の魔王さまは、カップのスープを一気にあおろうとし、熱かったのでふーふーと唇をとがらせて冷ます。
「魔王さま、これを」
シルキスは、金の魔王さまにスプーンを差し出した。