魔王さま100分の2

「それに、荷物運びはお前の特技だろう」

「加工された品と、倒したばかりの生木では全く別物なんですよ。掴みづらいし、水気たっぷりだし、切り残した枝が地面にひっかかるしで」

「なるほど。それでも私といられる事と比べれば、なんでもない労働だな」

「魔王さまと比べられるものなんてないですけどね」

えいやっ。
と、気合入れてシルキス。

ずっと後ろにある樹木の尻尾で地面耕しながら、力技で進んでいき、

「それから、そっちの魔王さまは樹の上に乗ったりしないでくださいね。棘だらけで危険です」

隙をみて、丸樹の上に跨ろうとしていた黒の魔王さまを牽制した。

黒の魔王さまは、片足をあげた姿勢でとまる。

「ばれたか。良く見てるね」

「魔王さまに怪我をされたら、僕がアイオネに叱られるので」

「あはは、それは怖そう」

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