魔王さま100分の2
「というわけで不安はありますが、樹の一本をまるまるハシゴとして使い、残りの樹で周囲から支えるようにします」
「今のよりも高くて丈夫になる?」
「そのつもりです」
「おお~っ」
手を叩く黒の魔王さま。
「出来た後は、年単位で手直しが必要になると思いますが、それはアイオネに任せましょう」
シルキスの計画も、ここにずっとアイオネがいることが前提だった。
黒の魔王さまは、さらに手を叩いた。
「おおお~っ」
同じく、新しいハシゴに興味をもって、金の魔王さまが反対側から訊てくる。
「それで、ハシゴの建て直しには、どれくらいかかるのだ?」
シルキスは、だいたいの見当で答えた。
「今日のうちには形にするつもりです」