魔王さま100分の2
「ほう、それは楽しみだ」
「楽しみだーっ」
魔王さま達がシルキスに向ける期待の目。
「ただし、僕とアイオネの力でこの丸樹を屋根上に立てることさえできれば、ですけどね」
「ふむ」
「ふーむ」
その期待した目で、魔王さま達は、樹を抱えているシルキスの腕を見た。
よく見ると、ぷるぷる震えている。
とたんに、魔王さま達は疑いと不安の目
「……できるのか?」
「……できる?」
シルキスは、苦笑まじりに答えた。
「できますよ。アイオネがいますから」
と、
「はい、次の樹ーっ」
門の外から早くも2本目の樹を運んできたアイオネの声。
シルキス達が振り返るより早く、アイオネは樹を放り込む。
ズダーン。
領地に響く騒音。