魔王さま100分の2



という流れで、領地に運ばれた樹木達。
主にアイオネの活躍で、時はまだ午前中。

「どの樹を主材にしようかな?」
「これっ、この一番大きいのがいい!」

黒の魔王さまのご指名を受けた樹が、庭の中央に転がされ、

根っこの方から順々、

シルキスとアイオネの共同作業で、がんがん横木を打ち付けられ、ハシゴの形になっていく。

「魔王さま、危ないですからもっと離れていてください」

そう言って、両手持ちサイズの鉈を片手で振り扱うのはアイオネ。

「次はここ」

シルキスが樹の幹に墨で横線を引くと、無呼吸、超高速で鉈を上下させ、瞬時に墨の線を横木がはまるだけの溝に変えた。

「よし」

溝に横木をあてがうシルキス。
この横木は、別の丸樹を先に解体して作ったもの。

幹の太さにあわせて、横木もなかなかのサイズ。

これに対して、溝はややきつめ。

シルキスは、手袋をはめた拳で横木を真上から叩き沈め、ぎっちりがっちり溝にはめ込む。


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