魔王さま100分の2
「働きものですね」
「本業の幽霊船退治は10日も後なんで、合間はしっかり客乗せて稼がないと」
武装は全てアトラクション用の玩具仕様の戦艦だが、それでも導入費や維持費は高額。
休みの日のほうが多いような使い方では、元がとれない。
「神父さま、なんとか幽霊船がもっとまめに出てきてくれるようになりませんかね?」
「ははは、鎮めるのが私の本業ですので、うっかり手を出すとずっと出てこなくなりますよ」
「おっと、それは困る」
船員はひとしきりうけて見せると、甲板清掃に戻って遠くへ行った。
ルッティが船員の後を次いで言う。
「幽霊船をもっと頻繁に出したいというのは、観光局の希望でもありますけどね」