魔王さま100分の2
「なら、相手もこちらで一から作ればいい。幻術を使えばなんとか出来るだろう?」
「幻とはいえ、今の幽霊船は千年前の大戦で沈んだ本物が生んでいるのが売りなんです。全部偽者にしてしまうと、お客さんがどういう反応になるか不安で」
「らしいね。ここに来て20年、担当が替わるたびに同じ話をしているからよく知っているよ」
「ええっ、そうなんですか。だったら先に言ってください。恥ずかしいじゃないですか」
ルッティは、恐縮する。
エミリオは、気にするなと背を叩いて言う。
「さっきも言ったが、幻や魔族の遺産をコントロールするのは私の専門外だ。そういう相談は中央の魔法使いか、王国の勇者にしたほうが実になるよ」