魔王さま100分の2
それが顕著に表れているのが、この都市での勇者に対する意識。
これほどの大都市なら、
魔族に対する備えとして、少なくない勇者が常駐するはずなのだが、
イアリミアは、警備兵としての勇者はひとりも受け入れていない。
代わりに大勢の魔法使いを自費で雇い入れ、自衛軍として組織している。
この戦艦で働いている魔法使いもその一部だ。
勇者を排することで、
独立色を高める考えのイアリミアと、
あえて勇者を置かないことで、
軍事的優位を広げる考えの王国、
その間で年々立ち位置を変化させつつある、中央諸国との綱引き。
現在のところは、勇者の価値が薄れ、経済の発展が続く分、イアリミアが優勢だ。