魔王さま100分の2

『どうせなら、その独立心で私も追い出して欲しいです』

たった一人、
別件でイアリミアに住んでいる勇者が、

この話をするたびにそう言うのを思い出し、
エミリオは含み笑う。

「どうしました?」

「いや、ひとり面白い友人のことが頭に浮かんだ」

「誰です?僕の知っている人ですか?」

「ルッティは会ったことがなったか。よし、今度会わせよう。相手は女性だ、美人だよ」

「え?」

美人と聞いて、ルッティが無駄な緊張をする。

それを見て、エミリオはまた笑みを含んだ。

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