魔王さま100分の2

「はははっ、怒るなら私の隣に来てから」

ハシゴの上で、人影は自分の隣を手でぱんぱんと叩く。

「言われなくてもそうします」

アイオネは残りのハシゴを一跳びで上りきった。

ハシゴのてっぺんで並ぶと、とびきりの笑顔で迎えられる。

「早かったね、アイオネ。今日も元気そう」

「おかげさまで、休みの7日間は風邪もひけませんでした」

「勇者は丈夫だね」

夏の太陽に負けない、快活な笑み。

ハシゴの上でアイオネを待っていたのは、
この島に幽閉されている魔王さま。

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