魔王さま100分の2
「魔王さま、髪を梳きます。こちらに来てください」
天井のドアから、塔内に戻ったアイオネ。
丸椅子と串を用意すると、魔王さまにおいでおいでと手招きする。
「アイオネが私の髪に触れたいと言うのなら、そうしてもいい」
腰まである黒髪を揺らして見せる魔王さま。
アイオネは、串の先を指で弾いて答える。
「すっごく弄りまわしたいです。拒否されると魔王さまの足首を握って天井からぶら下げてしまいそうなぐらい」
「あははっ、なら頼もう」
魔王さまは、アイオネの過激な誘いに喜んで椅子に座った。
背中を見せ、髪留めを外す。
とめられていた髪が緩く波をうってひろがり、アイオネの手に任される。
「ほら、アイオネの好きにしていいよ」
魔王さまの甘い声。