魔王さま100分の2

だが、それだとますます魔王さまに気に入られて王国に帰れなくなるのか?

「むむむ」

クビになるために、魔王さまに嫌われるような人間に急変するのは無理。

それは自分が許せない上に、与えられた仕事ができませんでしたということになる。

ジレンマだ。
今すぐ解決できそうにないので、アイオネは話題を進める。

「他には?」

「あとは、アイオネは女の子だからいろいろ一緒にできること」

「いろいろって?」
「お風呂とか」

魔王さまは、涼しく言う。

「えっと」
「今日も一緒に入ろうね」

目を閉じたまま、誘う魔王さま。

「入ってくれないと、自分で髪を切る」

仕入れたばかりのネタで脅す。

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