魔王さま100分の2
「アイオネの言う意味で気にかけた人間はいない。だから、安心してアイオネ」
「なにを安心するのです?」
「なにをかなあ?」
身体を傾ける魔王さま。
アイオネの胸にぽすっと頭をのせる。
「魔王さま、ふざけるとまた怒りますよ」
「怒ってもいいから、今はこうさせて」
そう言われると、アイオネは逆らえない。
「あの、魔王さま」
「なあに?」
「私がいない間、寂しかったですか?」
「なんでだろうね……」
魔王さまは、再び目を閉じる。
そして、小さな吐息。