魔王さま100分の2

「私がこんなふうになるのは、アイオネだけだよ」

「うっ」

アイオネは固まる。
固まっているくせに、手だけは動く。

こう……、
魔王さまを抱きしめそうな感じで。

懸命にその手を引き止めつつ、アイオネ。

「わ、私が魔王さまを甘やかし過ぎということでしょうか?」

「ううん、私がアイオネに甘え過ぎなんだと思う」

魔王さまは、アイオネの胸元から見上げる。

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