魔王さま100分の2
「あのね、アイオネ」
全てをアイオネの身体にゆだねる魔王さま。
「もし私が本当に……、」
梳いてもらったばかりの前髪の下、
瞳にアイオネだけを写し、
アイオネだけに聞かせる声で、
「本当に……、ぷっ、うはははははははっ、だめだめ、またここだっ」
言う途中、思いきり笑い出した。
「魔王さま、この体勢で馬鹿笑いすると転びますよ」
「転ばないように抱っこして」
「はい」
アイオネは、疲れた顔で魔王さまを抱きとめる。