魔王さま100分の2
「さて、本題ですが」

集まりの中心に向き直るシルキス。

木の棒の先で地面にイアリミアの地図を描きはじめる。

陸、海岸、そして島々。
皆に見えるように大きく描き、島のひとつを指した。

「ここがもうひとりの魔王さまがいる島」

魔王さまという言葉に、
それまで和やかにしていた魔族達の放つ空気がするどくなる。

「やはり一般の観光客として動ける場所からでは、島自体が見えないようですね」

シルキスは場の空気に流されない口調で言い、その島を囲むように存在する別の島々を円で囲んだ。

「これに、そこの拗ね顔のエルフが運んでくれた例の針路予想を加えるとこうです」

「誰が拗ね顔だっ」

言われた男のエルフが怒る。

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