Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
『ね?

赤ちゃん…いるんだよ?あっちゃんの赤ちゃんだよ?

あったかいでしょう?

あっちゃん…

あこ、産むからねっ!!あっちゃんがくれた大切な大切な宝物だよっ!!

あっちゃん…ありがとう!!
大好きだよっ!』

あっちゃんの手はもう冷たかった。

そして、あこは、あっちゃんの冷たくなった手をそっと布団の中にしまうと、病室を後にした。

あっちゃんの前で泣かなかった。
あっちゃんが心配するといけないから。

ひたすら笑顔で話した。


ガチャ…

病室を出ると、エリがあこを支える様に抱き締めてくれた。

「あこォ…

偉かったねっ!よく頑張ったっ!!

もう、泣いてもいいからね…」

エリの腕の中は、本当に温かくて、自然に涙が溢れてとまらなくなってしまった。

あまりにも暖かくて、あっちゃんの腕の中と勘違いしてしまった。

『ウァァァァァッッ…………

あっちゃん…あっ…ちゃっ…』


神様…

お願いだから、お願いだから、あっちゃんを返して下さい。

大切な人を、今すぐに返してくれませんか?

あっちゃんと出会わせてくれたあなたを恨みたくはありません…

だから…

返してくれませんか?
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