Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「アツシのヤツ…

昔っから、俺の事パシリみたいに使いやがる(笑)

アツシは…これを俺に渡して来た時、もう自分の生きれる時間に気付いてたのかもな…」

ヒロトは、茶封筒を手にきつく握りしめたまま、棺の中で眠り続けるあっちゃんの顔をじっと見つめていた。

「やだわねっ…
あの子ったら…どこまであこちゃんを縛り続ける気かしらっ(笑)」

おばちゃんは、あこの肩に軽く手を添えてあこと一緒に一枚の紙に目を通した。

真っ白な紙には、ミミズの様な、弱々しく、波打つ様な、震えている字で文字が並べられている。

あの時のあっちゃんにしてみたら、きっと精一杯の力を振り絞って書いたのだろう。

涙であっちゃんの字が霞んでいく…

『ッッ…グスッ…フフッ(笑)

…あっちゃんはっ…約束、忘れてなかったんだねっ…

守ってくれるんだねっ…うぅぅっ…』

【ヒロトへ


俺はまだ死なねぇ!
ずっと生き続けてやる。

けど、もしも…
もしも、万が一俺がこの世から消える日が来てしまったら、もう一枚の方の紙を俺と一緒に燃やして欲しい。

頼む。
最後の頼みだ。

あこと約束なんだ。
結婚するんだ、俺達は。

お前と違って、俺は、約束は守る男だからな!!

もし、死んでしまっても…
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