Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
俺は、この約束の婚姻届を天国まで持っていく。

あこに渡すと、アイツ無くしそうだからな!

んで、あこがババァんなって、俺んとこ来たら、一緒に市役所行くんだ。

おい、ヒロト、天国って市役所あんのか?

まぁ、いーや、俺探しとくし(笑)

お前は俺の大事な親友だから、信じてるぜ。

必ず、そうしてくれ。
頼む。



篤】


あっちゃん…

あこは、もう、あっちゃんと結婚は出来ないって思ってた。

まさか、こんな形で、約束が今も繋がっている事を知るなんて…

あっちゃんは、あこが思っていたよりも遥かにあこの事、考えてくれていたんだね?

あんなに苦しんでいたのに…
それでも、あこの事…

『…!!
ヒロトくんっ!もう一枚の紙見せてっ!?』

天国に持っていく…?
あこを待っているって…?

まさか…まさか…


泣きっ面のヒロトから無理矢理もう一枚の紙を引っ張る様に奪うと、あこは急ぐ様に紙を開いた。

カサッ、カサッッッ…

『―――!
…やっぱりねっ…もぉぉっ(笑)

あっちゃんってば、いつの間に!?…』

あっちゃんは、全部知っていたんだ。

自分に残された時間が極わずかしかなかった事。

もうすぐ、自分は天国へ旅立ってしまう事も…
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