Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
だから、あの日、あこに書かせたんだね。
この婚姻届に、あこの名前を…

あっちゃんは、最初からこうするつもりだったんでしょ??

もうっ!
ずるいよ、あっちゃんは!!


いいの?
ねぇ、あっちゃん、いいのっ!?

あこ、もっと好きになっちゃうよ?

もっともっともーっと大好きになっちゃうよ??

あっちゃんは、こんな時までかっこいいんだね。

『エヘヘッ(笑)

見て見て?…これじゃ、あこは他の誰とも結婚出来ないじゃんねぇっ?(笑)』

パサッ…

あこは、ヒロトから奪った紙を一枚に広げて、おばちゃんとヒロトとエリにみせびらかした。

「まったくっ……本当にバカねっ!

あの子ったらっ…」

きっと、おばちゃんは泣くのを必死に我慢していたんだね…

おばちゃんはその紙を見るなり、せきをきった様に泣き崩れてしまった。

ヒロトは泣くのをやめて、泣きじゃくるエリの手をぎゅゅっとにぎった。

“高橋 篤”

婚姻届には、あこの名前の他に、あっちゃんの名前が震える文字で書かれていた。

その横には、印鑑まで押されていた。

『あっちゃん?

あこが行くまで、なくさないでよねっ?』

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