Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
カサッ…

あこは婚姻届の紙を折り畳んで、あっちゃんの顔の横にそっと置いた。

『待っててね…』

もう一度あっちゃんの眠り続ける顔をそっと撫でて、一歩後へ下がった。

パタン…パタン…

カンカンカンカン!…

棺の小さな窓をしめられ、釘を打たれた。

もう二度とあっちゃんの顔は見れなくなってしまった。

ガチャーン!

あっちゃんが眠る木の箱が重い鉄の向こうへ消えて閉まった。


雲が流れる真っ青な秋の空に、静かに、あっちゃんがのぼって行った。


2003年10月12日

享年23 高橋 篤

あっちゃんは、天国へ旅立った。

笑顔のまま、あこの手の届かないところへ…

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