Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
お母さんは少し体を起こして、あこを見つめた。

「だって、お母さんは分かるからっ…ッグス…

子供を産んで育てるのは、簡単な事じゃないのよっ?分かるっ?

お金だってかかるし、自分の時間も無くなるの…並大抵の事じゃぁないのよっ!

父親は…アツシくんなんでしょうっ?
…もう、いないじゃないのっ……

あこが一番分かるでしょうっ?
お父さんがいない寂しさ、大変さ…あこが一番分かるわよねっ?

あこには……幸せでいてもらいたいのよっ……」

お母さんは全て気持ちをぶつけると、また泣き出してしまった。

分かってる…
分かってるよ!

お母さんがどんなに大変な思いをして、あことお姉ちゃんをここまで育ててくれたのか…

お母さんは、自分の時間も自分のお金も、全部あことお姉ちゃんに使ってきた。

お父さんが居ない寂しさもあことお姉ちゃんが一番分かってる。

もし、この子を産んでも、きっとあこと同じでいつか莫大な寂しさを感じる日が来るのかもしれない…

でも、それでもね?

お母さんの様に…
あことお姉ちゃんを大きな幸せで包んでくれたお母さんの様に…

幸せにしてあげるから!
この子は、あことあっちゃんの天使なんだ。

『…グスッ…でもっ…お母さんっ…』
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