Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
それでも…
そこまで押されたにも関わらず、やっぱり断ろうと思った。

『エリ?…でもやっぱり…行け……』

「…プツッ…ツー、ツー、ツー……」

エリは電話の向こうで一度だけフフフッっと鼻で笑うと、一方的に電話を切ってしまった。

エリってば…
あこの話も聞いてよね!

そのまま断る事もせず、今日という日が来てしまったんだ。

「エリちゃん達何時に迎え来るの?
夜は絶対ダメだよっ?あこ!!」

『うん!三時くらい!
夜までには帰って来るからぁっ!』

最近のお姉ちゃんは、まるであこのお母さんになったみたい…

あこには、お母さんが二人もいるみたいだね!

心配かけっぱなしでごめんね?
お姉ちゃん。
お母さん。



3時10分。

「あこー?着いたよー!今から出て来れるぅ?」

『うんっ!今すぐ出るから待ってて?』

エリとの電話を切るなり慌てて準備をする。

体が冷えてしまわないように、お姉ちゃんから貰ったホッカイロをお腹の近くへ貼りつけた。

首にはふわふわの毛糸のマフラー。
淡いピンク色が暖かさを倍増させている。

最後に、ダウンコートを来て、家を出た。

『お待たせぇっ!』

あこが玄関を出ると、エリとヒロトの笑顔があこを照らした。
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