Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
サクッ……

土にプレートをゆっくりと差し直して、もう一度真っ白な花を見つめる。

チョンチョン…

人指し指で優しく触れると、まるで人間が首を振って頷いている様に見えた。

『あっちゃん…
この花、小さいねぇ。
あっちゃんも見てるよね?』

見てるよね?
この空の上から見てるよね?

空を見上げる。

『あれっ?』

急に不安に似た感情に襲われてしまう。

今まで笑顔だったはずのお日様がかくれんぼしてしまったのだろうか?

いつの間にか、ダイヤモンドの絨毯は、輝きを失い、普通の冷たい雪がしきつめられているだけだ…

寂しくなった公園。
暖かい風はいつの間にかまた冷たい風に変わっていた。

ピュゥゥ…

『うぅっ!!さぶっ……』

今まではお日様の陽射しがあこの体を暖めてくれていたのに、急にかくれんぼをするから体が冷えてきてしまった。

もう一度花に優しく触れてみた。

あっちゃん?
あっちゃんがこの花に希望を託した様に…

あこもこの花に願いをかけてもいいですか?

生まれ変わっても、女の子として生まれたい。

あっちゃん…あなたと出会って、恋におちて…
また二人で生きてゆきたいです。

『また…また来年会おうね!!』

小さな小さな真っ白な花に囁くようにお別れをした。
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