Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
あぁ…なんて弱々しい文字なんだろうか。

この震える文字が表している辛さが体に染み込んでしまった。

涙で文字が霞んで行くのが分かる。



あこへ

あこ、そこに咲いてる花はあこみたいだなぁ。
真っ白で小さくて。
俺が守ってやるよ。
俺の大切な花。

…そう思ってたのに、結果、お前を泣かせる事になってごめんな。
あこ、元気ですか?
今、笑っていますか?
あこの中の俺は笑っていますか?
お前の事だから泣いてるんだろうな、どーせ!
守ってやれなくてごめんな?

あこ、花は咲いたか?
綺麗だろ?
かわいいだろ?
冬になったら、こうして、毎年会いに行くよ。
空から降る粉雪になって、ユキノハナになって…
あこに会いに行く。

そして、生まれ変わったらまたあこに恋をするんだ。
その時、あこはバカだから、俺の事なんか忘れてるかもしれないな。

だから、またあこを口説きおとしてやるよ!

これを読んでるって事は、もう俺はそこにはいないんだよな?
でも泣くな!!

変わりにいい事を教えてやるよ。

あこ、俺は…今もお前に恋をし続けている。
あこ、これは天国の俺からあこへのラブレターだ。

2003.10.9
高橋 篤
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