Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
本当は声を出すのも辛かったくせに…

あこのため?

あこがすぐに泣くから?

―「あこ…何泣いて…んだよ!…ばぁかっ(笑)」―



闘病生活にも幸せはたくさんあったよね!

覚えてる?

毎日の…日課。

―『あっちゃん、大好きっ!!』

「知ってる!(笑)」―


あっちゃん?
ちゃんと無くさずに持っていてくれてる?

あこは、あの時、あっちゃんが生き続けてくれてる事だけを祈って一枚の紙切れに全てを託しました。

うすっぺらい“婚姻届”に。

―「何泣きそうになってんだ?
このちびすけ!(笑)
…コレ何だと思う?」―



ずっと昏睡状態で、もう目を覚まさないのかもしれないとさえ思っていたんだよ…

でも、目の前にいたのは、笑っているあっちゃんでした。

―「あこー?
泣き虫なあこー!
こっちおいでー?」―


本当に本当の最後のデートだったよね?

―「あこ!…どこ行きたい?」―



海は大好き。
あっちゃんとの大切な思い出が全部詰まっているから…

―「海か!あこは海が好きだなっ!(笑)

…行くぞ!車乗れっ!」―
< 232 / 286 >

この作品をシェア

pagetop