Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
『はぁーっ…フウッ…
重いぃ(笑)
あっちゃんに似てでっかい子供だな、こりゃ(笑)』
ドン…
ゆっくりとベンチに腰を下ろして、大きな木の近くにしゃがみ込むエリの姿を見つめる。
シャクッ…ザクッ、ザクッ!
エリは必死に土を掘って、丁寧に一株ずつ植えていく。
『はぁ、あったかい…』
春の訪れを告げる暖かな空を見上げて、独り言を呟く。
真っ白な雲が、水色の大きな画用紙の中をゆっくりと渡っていく。
ゆっくりと流れていく。
妊娠が分かって、あっちゃんがいなくなってからすぐに、あこは大学を辞めてしまった。
まだ安定期に入っていなかったし、いずれはお腹が大きくなる。
大学に通っていて、もしも転んだり、何かあってしまったら大変だから…と、お母さんとお姉ちゃんとおばちゃんの意見だった。
本当は卒業したかった。
あっちゃんとの約束だったから。
でも、やっぱり、あっちゃんが残してくれたこの宝物を大切にしたかったから、あこも大学を辞める道を選んだ。
今でも後悔はしていないんだ。
エリはというと、ちゃんと卒業して今は、働きだしている。
小さな建設会社の事務職員をしている。
重いぃ(笑)
あっちゃんに似てでっかい子供だな、こりゃ(笑)』
ドン…
ゆっくりとベンチに腰を下ろして、大きな木の近くにしゃがみ込むエリの姿を見つめる。
シャクッ…ザクッ、ザクッ!
エリは必死に土を掘って、丁寧に一株ずつ植えていく。
『はぁ、あったかい…』
春の訪れを告げる暖かな空を見上げて、独り言を呟く。
真っ白な雲が、水色の大きな画用紙の中をゆっくりと渡っていく。
ゆっくりと流れていく。
妊娠が分かって、あっちゃんがいなくなってからすぐに、あこは大学を辞めてしまった。
まだ安定期に入っていなかったし、いずれはお腹が大きくなる。
大学に通っていて、もしも転んだり、何かあってしまったら大変だから…と、お母さんとお姉ちゃんとおばちゃんの意見だった。
本当は卒業したかった。
あっちゃんとの約束だったから。
でも、やっぱり、あっちゃんが残してくれたこの宝物を大切にしたかったから、あこも大学を辞める道を選んだ。
今でも後悔はしていないんだ。
エリはというと、ちゃんと卒業して今は、働きだしている。
小さな建設会社の事務職員をしている。