Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「えぇー…そうなのぉ??
おにぃちゃん、今どこにいるの?

僕ね、おにぃちゃんに“ありがとう”言いたいんだぁ!!」


ありがとね、雄一くん!

あっちゃんにお礼言ってくれようとしてるんだね!

でも…
もう、あっちゃんはここには居ないの…

ごめんね…


雄一くんは、少し悲しそうな顔で、泣いているあこの顔を覗き込んだ。


「あーぁ!泣いているよっ!

おにぃちゃんは嘘つきだぁぁ!!
女の子泣かしちゃいけないんだぁっ!!

うーそつきっ!うーそつきっ!!」


『…え…?』

気付くと、雄一くんは、背伸びをしてあこの頭の先を優しく撫で続けてくれている。


「おねぇちゃん!泣くなって!

僕がおにぃちゃんの事叱ってあげるから、大丈夫だぞっ!」


『プッ(笑)アハハッッ!

おねぇちゃん泣いてないよっ!!
嬉しいから、目からお水がでちゃったぁ!!』


なんて可愛い男の子なんだろう。

雄一くんにまで励まされて…あこはダメだなぁ……。

これからお母さんになるっていうのにね…


「えー!!嬉しいと涙が出るの?
変!変!へーんっ!!(笑)」

『そうだよーっ!!
嬉しいから涙が出るのーっ!!(笑)』


無邪気に笑う雄一くんのほっぺをぐりぐりと撫でた。

「ひゃあっ!やめろよー!ばぁーかっ!!」

すると、雄一くんは照れた様にあこの手を振り払って、またブランコの方へ走って行ってしまった。
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