Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
あこの心は、今、とても温かい。

春色の空を見上げて微笑んだ。


神様。

どうか…どうか…
雄一くんがこれからも、あの可愛い笑顔でいられますように。

…二度とガンが再発しませんように。


「あこ!お前の男はすげぇな!
つーか、かっこ良すぎだろ!(笑)

ありえねぇよ!ドラマみてぇ!
あこ、お前は幸せな女だなぁ!」

ケンは、涙目で微笑むあこを、とてもとても優しい目で見つめていた。

『うん!!でしょ?
…じゃねぇとホレねぇよっ、ばぁか!!(笑)』

あこは今まで口にした事のない言葉使いをした。

ぶっきらぼうな話し方。
そう、あっちゃんの真似。


「あったり前でしょー!!
ケンにゃ無理だね!アツシくんみたいにゃなれないよ!!(笑)」

エリは、ケンを馬鹿にした様に、ケラケラと笑った。

ケンは、そんなエリをキッっと睨みつける。

「うるせーなぁ!
これでも頑張ってんだよ!!(笑)

…俺、今、さきと付き合ってんだよ!」

ケンのほっぺはみるみるうちに赤くなって、一気に耳まで赤く染まった。

『どえぇー!!さきとー!?
さきっ?さきっ?
どっちからコクったのさぁ!?』

あこは無意識のうちに、ケンの肩にとびかかった。
ケンはますます赤くなり、そして、ポツリと呟いた。

「…さき…から…」

「どあぁー!!マジ?マジっ?

私知らないんだけどー!!いつよ!いつー!?」
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