Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
新しい命
6月。

春も終りを告げ、夏が足音を立ててやって来た。


シトシト…シトシト…

ここ最近、毎日のように雨が降っている。

この湿気、どうにかならないものか…

季節は梅雨。

晴れていれば、公園にでもお散歩へ行ってるところだ。

雨…どうにも気分が乗らない。

あこは臨月を迎えていて、お腹はますます大きくなっていた。

『ハァー…っと!どっこいしょっ!!』

あこは、ちょっとコバラが空いたため、ココアを飲もうと、ポットをキッチンの上に移動させる。

お腹が大きくなっていて、こんなポットを移動させるのも一苦労。

これで背が高ければ、もっと楽なのかも…

でも、こればっかりは仕方のない事。

「あこ!何してんの?
ココア飲みたいの?どれ!貸しな?
私が入れてやるって!」

『平気!平気!
こんくらいなんの、なんのっ!!(笑)』

お姉ちゃんは相変わらず優しい。

お腹を抱えながらココアを入れようとしているあこから、スプーンとココアのパウダーが入った瓶を奪うと、慣れた手付きでココアを入れてくれた。

「ほら!あっちのソファーに座って飲みな!
……お腹、大きくなったねぇ…予定日いつだっけぇ?」

ポンポン…

あこは片手にココアの入ったカップを持ちながら、お腹を摩った。
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