Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
『ぃてて…ッッ…フゥ…ゥゥゥーッ…』

あこの額からは脂汗がにじみ出ていた。

何だろう…生理痛とは違う、お腹を壊した時の痛みとはまた全然違う!

腰が重たい痛み。

とにかく痛い!!

呼吸がうまく出来ないぃ!!


…トントントン…

あっ!!
お母さんの足音だ!

あー、良かったぁ…
なんとなくホッとする。

「何よぉ、うるさいわねぇ…

あこっ!!?」


『おっ…かぁさぁーん…痛いぃぃー!!』

「あぁぁぁ…どうしよ!お母さん!
あこ、痛いって!お母さんっ!!」


落ち着きを失ったお姉ちゃんと、不安におし潰されそうになっているあこをお母さんはギュッっと抱き締めた。

さすがお母さんだった。
あことお姉ちゃんを産んだ女の人だ。

凄く冷静だった。

「陣痛ね!
大丈夫よー?あこ、深呼吸!深呼吸!

まだ、すぐに痛みはおさまるからね!」


『嘘だ!!痛いもんっ!!これって陣痛なの?

ッッ…痛いぃ、腰も痛いぃ…』


ギュゥゥ!!

駄目だ。

不安と初めて経験する痛みで自分を見失ってしまう。

あこはお母さんのTシャツの袖をおもいっきり引っ張った。

「あこ!しっかりっ!
大丈夫!大丈夫!!
ゆっくり…ほら、フゥーってしなさい!」
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