Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
『ぅぅぅ…フゥーッ、フゥー…』

お母さんが背中を摩るリズムに合わせて深呼吸をした。

しばらく続けていると、少しずつ痛みは和らいでいく。

『ふぅぅー…お母さん、痛くなくなって来た。』

お母さんはあこの額の汗をタオルで拭き取ると、優しく微笑んだ。

「あこ、いい?
今まで沢山勉強したよね?大丈夫よ?

陣痛は、波があるの…分かるわね?
こうやって、何度も痛みを繰り返して、繰り返して、時間の間隔がせばまっていくのよね?
分かるよね?

沢山、本読んだし、教室にも通ったし、大丈夫ね?」


そうだった。
そうだったよ!

何をあんなに慌てていたの?

大丈夫!とりあえず、落ち着こう。

あこには、みんなが着いててくれる!

あっちゃんが見守っててくれてるんだ!!

大丈夫!

『うん!大丈夫!』

あこは、お母さんの目を見て、しっかりと頷いた。

「うん。
とにかく、病院に連絡するわね!
まこ、あこをソファーに寝かせて?」


「うん!」

そして、お姉ちゃんに支えらながら、ゆっくりとソファーに寝そべった。

電話を終えたお母さんが、またあこの近くへ来て右手をギュッっと握ってくれた。

「あこ?病院には連絡したからね!
陣痛の間隔が10分間隔になったら病院行こうね?」
< 259 / 286 >

この作品をシェア

pagetop