Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「おー!君が篤の?
頑張って、元気な子産んでくれよ?」


…誰?
初めて見掛ける人だぁ…

『あの…ハイ、ありがとうございま…』

そこには、見た事の無い、作業着姿の男の人達が5人も立っていて、あこを優しい目つきで見つめていた。


「あぁ、こいつらは、アツシと同僚!
つか、このオッサン、親方だから!」

「どうも!あこちゃん…だよな?
話は聞いてます!篤のバカが、毎日、毎日、ノロケてたからなぁ!」

「ギャハハハハ!!」

あ…この人達、あっちゃんと同じ作業着姿だ。
そっかぁ!
この人があっちゃんが信頼してた親方さんかぁ。

親方さんは、頭に水色のタオルを巻いていて、無精ヒゲが似合う、ちょっと渋い男の人だ。

ヒロトを含め、あっちゃんの同僚の人達が大声で笑っていると、看護婦さんの眉間にシワが寄った。

「静かにして下さいっ!!ここは病院ですっ!
…佐々木さん、こちらの待合室で待っていて下さいね?

痛みが3分間隔になったら教えて下さいね!」

『ハイ!』

「すいませんでした!」

怒られてしまったヒロトくん達を代表して、親方さんが頭に巻いているタオルを取って、深く頭を下げていた。

「あこちゃん、すまんねぇ!!
俺達、どうしても、篤の子供が見たくてよォ!
いいかな?」

「わりぃ!あこちゃん!みんなに教えたの、俺なんだ!!」

ヒロトは少し申し訳なさそうに汗だくのあこを見つめていた。

『もう!ヒロトくんはぁ(笑)
親方さん、みなさん、産まれたら見てあげてくださいね?』
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