Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
生きてるよね?
赤ちゃん、産まれて来てくれたんでしょ?

あこの不安は次第に限界に……

パシッ!パシッ!

先生が赤ちゃんのオシリを数回叩いているのが見えた。

やっぱり泣かない!
あんなに叩いてるのに!!

どうしてぇ!!

嫌!!嫌だぁ!!!

あこの目に涙が溜りかけた、その瞬間だった。


「ン…ニャ―――!!」


―――――!!

泣いたっ!!

「ンニャ―――!」

『泣いたぁぁっ!!』

その産声は、とても甲高くて、まるで猫の様な泣き声だった。

「おめでとうございますっ!!
元気な…とーっても元気な男の子ですよぉっ!!」

ずっとあこの横で声をかけ続けてくれていた看護婦さんだった。

口はマスクで塞がれているけれど、きっと凄く笑顔の看護婦さん。

だって、目が笑ってるんだもん!!

『ハァァッ…あ…ありがとうございますぅー…ぅぅぅーッッ…』


ボロボロボロボロ…

あこの目から大粒の涙がたえまなく流れて止まらない。

必死に涙を何度も、何度も、拭っていたら、また別の看護婦さんが、可愛い、可愛い、男の子をあこの顔の横に連れて来てくれた。

「ほぉら!お母さんですよー?
僕、男の子でちゅ!(笑)」

『うぁぁーんッッ!!
超かわいぃぃーっ!!』

まだ、よう水まみれでドロドロの顔だけど、ハッキリと分かる。

あこと、大好きなあっちゃんの…

大切な、大切な、宝物。
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