Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「ギャハハハハー!!」

病室には、やっと安心した顔のお母さんとお姉ちゃん。

エリにヒロトくん。

あっちゃんが勤めていた会社の親方さんと、同僚さん達。

嬉しそうに微笑むおばちゃんと卓ちゃん。

きっと、あこが分娩台にいた時、遅れてまでも来てくれた優しい後輩、ユキ。

やたらと賑やかで騒がしい病室。

「静かにしてください!!」

これで、この病室に看護婦さんが足を運んだのは4回目。

『おばちゃん!!
だっこしてあげて?』

「えっ…私、一番最初でいいの?」

「えぇ、お願いします!雅子さん!」

あこのお母さんがおばちゃんの背中を優しく押した。

おばちゃんは少し遠慮しながらも、あこと赤ちゃんに歩み寄った。

「うん!一番最初はおばちゃんって決めてたのっ!!」

決めてたんだ!!
一番最初はおばちゃん!

あっちゃんを産んでくれた、大切な人だから。

おばちゃんは、あこが抱いていた赤ちゃんを壊れ物を扱う様に、優しくそっと抱いた。

「くぁ~」

「まぁっ!!またアクビしたわぁっ(笑)
赤ちゃんも疲れたのねぇ!
…アツシにそっくり!
アツシもね、産まれてすぐ、アクビばかりする子だったの!
寝る子は育つってね!(笑)」

「アハハ!(笑)
だから、あんなでっかいんだぁ!
アツシくん、巨人だったもんねぇ(笑)」

エリはまだ赤ちゃんのほっぺをつついたまま、赤ちゃんから離れようとしない。

しょうがないなぁ!

『次はエリね!』
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