Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「えーっ!いいのっ?
えー!怖い、怖い!(笑)潰れちゃうっ!!」

「か~」

エリが慣れない手付きでそっと抱くと、赤ちゃんはさっきよりも大きな口を開けてアクビをした。

「プハハッ(笑)
またアクビしてるよォ!!
可愛いっ!」

「なぁ!なぁっ!!
次は俺っ!!
なっ?なーっ?」

ヒロトがあこの肩に手を置いて、必死にお願いをして来る。

仕方ないなぁ……
これでも、あっちゃんの親友だしね!

『ヒロトくん!おっことさないでよねっ?』

心配だなぁ…


「おおおぉぅ!!おぅ!…うぁぁー、ちっちぇー(笑)
よう!アツシの分身!!」

ヒロトが慣れない手付きでエリから赤ちゃんを受け取って、小さな顔を覗き込んだ時だった。

「…ン…ニャ~!ンニャ~~!!」

「うおっ!!泣いたっ!!何でっ?
ホイ、ホイ!あこちゃん!ホイッッ!!」

ヒロトから泣きじゃくる赤ちゃんをそっと受け取った。

『あーっ…怖かったねぇー?
ヒロトくんの事、キライだって!!(笑)』

「…ヒッ…ヒッ…」

赤ちゃんはヒロトの腕からあこの腕に抱かれると、直ぐに泣きやんだ。

「かぁ~…スー…スー…」

「あ、寝やがった!
何で俺だけ?(泣)」

そんなヒロトをよそに、赤ちゃんは大きな口を開けてアクビをした後、気持ち良さそうに寝てしまった。

君も疲れたよね?
ゆっくり眠るんだぞ?パパの夢でも見てるのかな?

病室に、今まで感じた事の無い、優しい空気が流れる。

「ねぇ…あこ?
名前は?決めたの?」

エリは、赤ちゃんが起きてしまわない様にと、ヒソヒソと小声であこに問掛けた。

『うん!もうずっと前から決めてたの!』

あこの一言にみんなのキラキラとした期待の視線が集中した。

あっちゃんがいなくなって…
あっちゃんからの手紙を読んだ日の夜に決めたんだ。
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