Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
『あのねっ……“空”』


「えぇっ♪ソラぁ!?」

エリが楽しそうに笑って、また、小さな柔らかいほっぺをつついた。

『そうっ!!
空……空くんっ!』


「空ぁ?(笑)
何か弱っちい名前だなぁ!」

ヒロトがバカにした様に笑った。

そんなバカなヒロトに喝を入れたのは親方さん。

「うるせぇ!ヒロ!
いー名前じゃねぇかっ!!
…でっかい名前だ!
こりゃあ、篤よりも大物になるぞ!!

空くん!
でっかくなったら、君もトビやるかい?」

「親方ぁ!気がはぇーよォ!(笑)」

「ギャハハハハ!!」

ガチャ!

「もう少し、静かに出来ないんですかっ?

いい加減にして下さい!!」


ヒロト達が騒いでいると、またさっきの看護婦さんが怒った顔を覗かせた。

あーぁ、これで5回目だよ…


「すっ…すいませんっ!!
申し訳ない!!」

親方さんは本当に申し訳なさそうに、騒ぎ続けるヒロト達に挟まれながら、頭を下げている。


そして、あこは赤ちゃんを見つめて、微笑んだ後、窓の外に広がる青空を見つめた。
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