Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「…どうせ退院できんだから…早い方がいいだろ!?」

あっちゃん…やっぱりね…。

その笑顔と退院を急いだ理由が今なら分かるのにね…

時間は残酷だよね?




翌日。

「先生ッッ…本当にありがとうございました。」

おばちゃんがナースステーションの入り口で、先生と看護婦さん達にふかぶかと頭を下げている。

「あこ姉!それ、俺が持つよ!」

あこが重たそうに持っていたあっちゃんの着替が入った大きなバックを卓ちゃんが持ってくれた。

『あっ!いいよ!卓ちゃん、他にも持ってるし!!

あこ持てるよ!!』

両手が大きな荷物で塞がってるくせに、卓ちゃんはニコニコと笑っている。

「いーからっ!あこ姉はただ兄キの横に居ればいいんだよ!!」

なんて…ひとなつっこい笑顔なんだろう。

あこの方が年下みたいな気分になる。

朝、退院の手伝いのために早起きしてこの病院へ来た。

正面玄関をくぐるなり、このひとなつっこい笑顔があこを向かえてくれた。

「あこ姉ー!!」
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