Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
あこは、天国の愛しい人へ手紙を送った。


あっちゃん、これは、天国にいるあっちゃんへ、あこからのラブレターです。


チョン、チョン…

あこが小さな、白い花に人指し指で触れた、その時だった。

…ポツ。


『冷たっ…あ!あぁーっ!』


ふわり…ふわり…ふわり…


真っ白なわたあめ。
ううん…

『粉雪ー!!

…あっちゃんだぁぁ!(笑)』


空では、お日様が灰色の雲の切れ間から少しだけ、恥ずかしそうに顔を出しているのに……

雪が舞い降りて来た。


ふわふわと舞い降りて来る粉雪は、あこの体の回りで可愛いダンスをしている。


空を見上げた。

『…ッ!眩しいー!』

太陽の弱い、弱い、陽射しが降り注ぐ冬の小さな公園。


微かに眩しい光の中をゆっくりと舞い降りて来る粉雪。

そして、あこの足元には、ユキノハナ。

【あこの花】

あこは、冬の冷たい空に向かって両手を広げ、ゆっくりと立ち上がる。


涙が溢れそうになる。

『…ッ…泣かないよ!!』

そして、溢れそうな涙を必死に堪えて、空を見つめ続ける。

もっと…
もっと…

大きく…
広く…

両手を広げ、空へと伸ばす。

あっちゃんがいる、空へと手を広げる。

『あっちゃん!
ねぇ…あっちゃん!!』
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