Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「スゥー…スゥー…」

あっちゃんの無邪気な寝顔を見つめながら、あこも、いつの間にか眠りについた。

あっちゃんの寝息は優しい子守り歌みたいだった。


夢を見た。

『いっただっきまーす☆』

いつもと同じ朝。
お母さんとお姉ちゃんと食卓を囲んでいる。

あこが目玉焼きをつついた時だった。

…ピンポーン…

家にチャイムが鳴り響き渡った。

「朝から誰かしら?」

玄関へ行ったお母さんに呼ばれて、目玉焼きをつついていた箸を置いて、玄関へ行った。

玄関には、黒のスーツでビシッっと決めたあっちゃんが立っていた。

『スーツなんか着てどうしたのー?』

あっちゃんはちょっぴり緊張している様子だった。

「あこ、約束通り迎えに来たぞ!」

『…え?約束…って…』

あっちゃんはあこの顔を見つめた後、お母さんとお姉ちゃんに深く、深く、頭を下げた。

「あこを…俺に下さい。

一生大切にします!!

…結婚させて下さい。」
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