Snow Drop～天国からの手紙～（下）【実話】

「先生！…俺…」

先生を見たとたんあっちゃんは都合悪そうにそっぽを向いた。

今まで笑顔だった先生は急に真面目な顔で静かにあっちゃんに話し掛けた。


「ｱﾂｼくん…もう十分だろう？

今日からは約束通り、きちんと治療に専念してもらうよ？」

約束…？

あっちゃんを見るとそっぽを向いたまま真っ白な顔で悔しそうにしていた。

そして、小さく頷いていた。

『…約束…ってなんですか？』
思わず先生に聞いてしまった。

「いや…それはっ…」
先生は何かを隠す様に口をつぐんでしまった。

「先生！いいんです。話しても…

あこちゃんはｱﾂｼの特別な女の子です。

…結婚の約束もしています。

全てを話してあげてくれませんか？

…いいわね？ｱﾂｼ！
もう…限界よ…これ以上あこちゃんを傷つけてどうする気？」

おばちゃんは睨みつける様に強い眼差しであっちゃんを見つめた。

あっちゃんはそっぽ向いていた顔をあこの方に向けて、あこをじっと見つめながら言った。