Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
奇跡を信じて記入していく…

ぎゅっ…ぎゅっ…

奇跡を信じている気持ちを筆圧に込める。

あっちゃんは嬉しそうにあこの書く人文字人文字を微笑みながら見つめていた。

『…?あれっ?
あっちゃんは書かないの?……』

あこが書き終えると、あっちゃんはすぐに婚姻届を折り畳んで茶封筒に入れた。

「あー…俺は治ったら、ソッコーで書くからいーんだよっ!(笑)

あこが心変わりしたら嫌だから、今書かせたんだよ!(笑)」

あっちゃんは少し照れた様に笑いながら婚姻届の入った茶封筒をまた枕の下にぐいっと押し込んだ。


あっちゃん…

あっちゃんがあの日、あこに婚姻届に記入させた本当の理由を知った時…

嬉しくて…
でも、とっても辛くて、すごく悲しかったんだよ。

ねぇ、あっちゃん?

今もあの婚姻届、持ってる?

約束通り、ちゃんと持っている?

無くしたり、捨てたりしていたら、本気で怒るからねっ!!

あっちゃん?
あの婚姻届には…

あっちゃんの精一杯の強がりという、夢が込められていたんだね…

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