Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
それからも、闘病生活は続いたけれど、あっちゃんは笑って過ごしていた。

ただ、点滴の本数が増えていく。

検査の回数も増えていった。

本当は苦しくて辛い、治療のはずなのに、あっちゃんは一回も辛いなんて言わなかった。

弱音を吐く日は1日だってなかった。

…夢の様な、順調な8月の終りを、夏の星座が教えてくれていた。

「なぁ…あこ、俺、マジで治るんじゃねぇ?

…だってさ、治療も楽勝だし、最近体調いいんだ!」

あっちゃんが、元気にそう言った数日後。

本当の悪夢が待っていた。

神様……

まだまだ、あっちゃんを渡したりしませんから…

夏の北極星に向かって強く思いをぶつけた。
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