Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「あのね…一時間前に突然、苦しみだして、暴れてしまったの…

今は、薬で抑えているけど、…昏睡状態で意識がハッキリしないの…」

分かっていた。

いつか…こんな日が来るのは覚悟をしていた。

なのに…

『…う…嘘っ!!

嫌だよォ…あっちゃんに会いたいよォ…』

ガクッ…

おばちゃんの腕をすり抜ける様に、あこはその場に座り込んでしまった。

『おばちゃん…少しだけでいいんだ、あっちゃんに会いたい…

顔を見るだけでいいから!』

涙目で訴えるあこの気持ちを精一杯受けとめる様に、おばちゃんは首を横に振った。

「…痛みを取るために…今までとは違う、薬を使っているの。

例え、目が覚めても、錯乱状態で意味不明の事を呟いたりする場合もあるそうよ…」

おばちゃんは涙を堪えながらしっかりと話してくれた。

―コンコン…

卓ちゃんがあっちゃんの病室のドアを軽くノックした。

シーン………

いつもすぐに返ってくる、あっちゃんのプライドの高い、元気な生意気そうな声はない。
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